H形鋼の重量(kg/m)の調べ方と見積りの重量計算
H形鋼の重さは、規格表の「単位質量(kg/m)」に長さと本数を掛けて出します。ただし同じ「200×100」でも実寸の違う2種類があり、取り違えると重量も金額も変わります。JIS G 3192の表(日本鉄鋼連盟が公開している資料)と日本製鉄の建設用資材ハンドブックで値を確かめ(2026年10月17日確認)、見積りの計算例にしました。
公開:2026年10月17日 最終更新:2026年10月17日 執筆:板野 克基(株式会社ブライトアセット) 編集方針
要点
- H形鋼の重さは、規格表の単位質量(kg/m)×長さ(m)×本数です。材料費は重量にキロ単価を掛けます。
- JIS G 3192では、単位質量は断面積(cm²)×0.785を有効数字3桁に丸めた値です。
- 細幅の「200×100」には、198×99×4.5×7(17.8kg/m)と200×100×5.5×8(20.9kg/m)の2種類があります。200×100のほうが1mあたり3.1kg、約17%重くなります。
- JIS G 3192の標準長さは6.0mから13.0mまで、1m刻みの8種類です。
- JISの計算順序では1本の質量も有効数字3桁に丸めるため、単純に掛けた合計と数kg違うことがあります。
重量表(規格表)の見方
H形鋼の表には、呼び(高さ×辺)、実寸(H×B×t1×t2)、フィレットの半径 r、断面積、単位質量が並んでいます。重さに使うのは単位質量の列です。
| 表の項目 | 意味 |
|---|---|
| 呼び(例:200×100) | シリーズの名前。図面や注文書でよく使われるが、これだけでは1つに決まらないことがある |
| H×B | 高さ(せい)とフランジの幅(mm) |
| t1・t2 | ウェブの厚さ・フランジの厚さ(mm) |
| r | ウェブとフランジのつなぎ目の丸み(mm) |
| 断面積(cm²) | 切り口の面積 |
| 単位質量(kg/m) | 1mあたりの重さ。見積りの重量計算に使う値 |
JIS G 3192の質量の計算方法(表6)では、基本質量を0.785kg(断面積1cm²・長さ1mの質量)とし、単位質量は「基本質量×断面積」を有効数字3桁に丸めます。たとえば200×100×5.5×8は断面積26.67cm²なので、26.67×0.785=20.93…で20.9kg/mです。
細幅「200×100」の2種類
| 実寸 H×B×t1×t2(r) | 断面積・単位質量 |
|---|---|
| 198×99×4.5×7(r=8) | 22.69cm²・17.8kg/m |
| 200×100×5.5×8(r=8) | 26.67cm²・20.9kg/m |
どちらもJIS G 3192の表15と、日本製鉄の建設用資材ハンドブック(2025年9月改訂版)のH形鋼の表で同じ値です。JISの表では198×99に*印が付いていて、注で「*印の寸法は、汎用品以外を示す」とされています。また、同じシリーズのH形鋼は内法(うちのり)の高さが一定とされ、198−7×2=184mm、200−8×2=184mmと、どちらも184mmです。外から見た高さが2mm違っても、同じ「200×100」のシリーズに入るのはこのためです。
同じように、250×125には248×124×5×8(25.1kg/m)と250×125×6×9(29.0kg/m)、300×150には298×149×5.5×8(32.0kg/m)と300×150×6.5×9(36.7kg/m)があります。図面や注文書の実寸4つ(H×B×t1×t2)で確かめてから表を引いてください。
見積りの重量計算
重量は「単位質量×長さ×本数」、材料費は「重量×キロ単価」です。長さ6m・10本、キロ単価150円(計算例のための仮の単価)で、2種類を比べます。
| 部材 | 重量と材料費(税抜) |
|---|---|
| 198×99×4.5×7 6m×10本 | 17.8×6×10=1,068kg、160,200円 |
| 200×100×5.5×8 6m×10本 | 20.9×6×10=1,254kg、188,100円 |
| 差 | 186kg、27,900円 |
呼びだけで表を引いて軽いほうを選ぶと、この例では1割以上安い見積りになってしまいます。トン単価の場合は1,000で割ってキロ単価にしてから掛けます(150,000円/tは150円/kg)。
JISの丸め方との違い
JIS G 3192の表6では、1本の質量(単位質量×長さ)を有効数字3桁に丸め、総質量は「1本の質量×本数」をkgの整数に丸めます。この順序で計算すると、200×100×5.5×8の6m 1本は125.4kgではなく125kg、10本で1,250kgです。198×99×4.5×7は1本107kg、10本で1,070kgです。
| 計算のしかた | 200×100×5.5×8 6m×10本 |
|---|---|
| 単位質量×長さ×本数をそのまま掛ける | 1,254kg |
| JISの表6の順序(1本ごとに丸める) | 1,250kg |
形鋼の重量と金額の集計は、JISの表6のような1本ごとの丸めはせず、行ごとに「単位質量×長さ×本数」を0.1kg単位に四捨五入して合計します。この例では1,254.0kgです。取引先の請求がJISの順序で計算されている場合は、数kgの差が出ることがあります。取引先の請求がJISの順序で計算されている場合は、数kgの差が出ることがあります。
定尺(標準長さ)
JIS G 3192の表2で、形鋼の標準長さは6.0m・7.0m・8.0m・9.0m・10.0m・11.0m・12.0m・13.0mの8種類です。6mと12mもこの中の長さですが、実際に在庫している長さや、受渡当事者間で決める長さは仕入先によって違います。注文の前に仕入先の規格表で確かめてください。
長さは1本の重さに比例します。200×100×5.5×8なら12m 1本は20.9×12=250.8kgで、6m 2本と同じ重さです。重量計算は「買う長さ」で行い、切断して使う長さの合計とは分けて考えます。端材を含めて何本買うかは、鋼材の重量計算・切り出し計画で出せます。
定尺から何本買えばよいかを、切り代を入れて出す鋼材の重量計算・切り出し計画(無料:30本まで)→形鋼の重量と金額の集計で確かめる
- 部材の一覧に「H 200x100 6000 10」のように、形状・サイズ・長さ(mm)・本数を入れます。
- 呼びだけを入れると「呼び寸法だけでは1つに決まりません」と表示され、198×99×4.5×7(17.8kg/m)と200×100×5.5×8(20.9kg/m)の候補が出ます。図面と合う方を押して確定します。
- 単価にキロ単価を入れます(円/tにも切り替えられます)。
上の計算例(6m×10本を2行、150円/kg)を入れると、198×99×4.5×7が1,068.0kg・160,200円、200×100×5.5×8が1,254.0kg・188,100円、合計2,322.0kg・348,300円(税抜)と表示され、手計算と一致しました。
よくある間違い
- 呼びだけで単位質量を引く:200×100、250×125、300×150などは、実寸の違う2種類があります。
- 長さの単位:ツールの長さはmmです。6mを「6」と入れると1000分の1になります。
- 断面積から自分で計算した値を使う:JISの表の単位質量は有効数字3桁に丸めた値です。表の値をそのまま使います。
- 計算値を実重量と思う:実物の重さは、JISの質量の許容差の範囲で前後します。
まとめ
H形鋼の重さは、実寸4つで規格表の単位質量を確かめ、長さと本数を掛けて出します。細幅の200×100は198×99(17.8kg/m)と200×100(20.9kg/m)で約17%違うので、見積りの前に必ず実寸を確かめてください。
出典
- 日本規格協会 JIS G 3192:2024「熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差」(2024年11月20日発行)(2026年10月17日確認)
- 日本鉄鋼連盟 鋼材規格検討会資料「JIS G 3192」改正案(2024年7月24日付、表2・表6・表15)(2026年10月17日確認)
- 日本製鉄 建設用資材ハンドブック「H形鋼」(2025年9月改訂版)(2026年10月17日確認)
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