粗利率の計算式と、原価率・掛け率・値入率の違い
粗利率は「(売価 − 原価)÷ 売価」で求めます。原価で割るマークアップや、定価を基準にする掛け率と混ぜると数字がずれるので、式ごとに整理しました。
公開:2026年10月15日 最終更新:2026年10月15日 執筆:板野 克基(株式会社ブライトアセット) 編集方針
粗利率の計算式(結論)
粗利率(粗利益率・売上総利益率)は、売上のうち、原価を引いたあとに残る割合です。分母は売価(売上)です。
粗利率(%)=(売価 − 原価)÷ 売価 × 100
原価率(%)= 原価 ÷ 売価 × 100 粗利率 + 原価率 = 100%
例:売価3,980円・原価1,500円の商品なら、粗利は2,480円、粗利率は2,480 ÷ 3,980 = 約62.3%、原価率は約37.7%です。
売価と原価は、税込どうしか税抜どうしにそろえて計算します。片方だけ税込にすると、税の分だけ粗利率がずれます。
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どれも「売価と原価の関係」を表す数字ですが、分母(何で割るか)が違います。同じ商品でも数字が大きく変わるので、取引先や社内で話すときは、どの式の話かを先にそろえておくと安心です。
| 言葉 | 計算式 | 例(売価3,980円・原価1,500円) |
|---|---|---|
| 粗利率 | (売価 − 原価)÷ 売価 | 約62.3% |
| 原価率 | 原価 ÷ 売価 | 約37.7% |
| 掛け率 | 仕入れ値(下代)÷ 定価(上代) | 定価3,980円を1,500円で仕入れたら約37.7%(約3.8掛け) |
| 値入率 | (予定の売価 − 仕入原価)÷ 予定の売価 | 値付けの時点では約62.3% |
| マークアップ(原価基準の上乗せ率) | (売価 − 原価)÷ 原価 | 約165.3% |
値入率と粗利率の違い
値入率は、仕入れて値段を付けた時点の見込みの利益の割合です。粗利率は、実際に売れた結果から計算します。値引きして売ったり、売れ残りを処分したりすると、粗利率は値入率より下がります。
例:原価1,500円の商品に3,980円の値を付けると、値入率は約62.3%です。10個仕入れて、5個は3,980円、残りの5個はセールで2,980円にして売った場合、売上は(3,980×5)+(2,980×5)=34,800円、原価は15,000円なので、粗利率は(34,800 − 15,000)÷ 34,800 = 約56.9%に下がります。
「原価×1.3」で粗利率30%にならない理由
よくある間違いが、「粗利率30%にしたいから、原価に30%を足す」という値付けです。原価に足す30%は原価で割った率(マークアップ)で、粗利率は売価で割った率なので、同じ30%になりません。
例:原価600円 × 1.3 = 780円で売ると、粗利は180円、粗利率は180 ÷ 780 = 約23.1%です。
粗利率 = マークアップ ÷(1 + マークアップ)
マークアップ = 粗利率 ÷(1 − 粗利率)
原価600円で粗利率30%にしたいなら、600 ÷(1 − 0.3)= 約857.1円なので、1円未満を切り上げて858円以上にします。マークアップで言えば約42.9%(600円 × 約1.429)です。
| 目標の粗利率 | 原価に掛ける数 | 原価600円のときの売価 |
|---|---|---|
| 20% | 1 ÷ 0.8 = 1.25 | 750円 |
| 30% | 1 ÷ 0.7 ≒ 1.429 | 858円 |
| 40% | 1 ÷ 0.6 ≒ 1.667 | 1,000円 |
| 50% | 1 ÷ 0.5 = 2 | 1,200円 |
掛け率とは(上代・下代と「◯掛け」)
掛け率は、定価に対する仕入れ値の割合です。卸売や小売の取引では、定価(小売価格)を上代(じょうだい)、卸値・仕入れ値を下代(げだい)と呼ぶことがあります。
下代 = 上代 × 掛け率 「6掛け」= 60%
例:上代5,000円の商品を「6掛け」で仕入れると、下代は5,000 × 0.6 = 3,000円です。定価の5,000円で売れれば、粗利は2,000円、粗利率は2,000 ÷ 5,000 = 40%になります。定価どおりに売る場合、粗利率 = 100% − 掛け率です。「7掛け」なら粗利率は30%、「4.5掛け」なら55%です。
ただし、定価より安く売ると、この関係は成り立ちません。上の例で4,500円に値引きして売ると、粗利率は(4,500 − 3,000)÷ 4,500 = 約33.3%です。値引きをする予定があるなら、実際の売価で粗利率を計算し直してください。
ネット販売では「粗利」から手数料も引く
粗利(売上総利益)は、売価から仕入れなどの原価だけを引いた額です。ネット販売では、そこからさらにモールの手数料・決済手数料・送料・広告費がかかるので、手元に残る利益は粗利より少なくなります。粗利率で値付けの目安を決めたら、販路ごとの手数料を引いた手取りも確かめておくと安心です。
ツールで計算するには
売価と原価から粗利率・原価率・掛け率をまとめて出したり、目標の粗利率から売価を逆算したりするのは、粗利益率・原価率・掛け率の計算ツールで入れるだけでできます。手数料率を含めて売価を逆算するなら販売価格の逆算、同じ価格で売ったときの販路ごとの手取りの違いは販路別 手取り比較で確認できます。
出典・確認日
- 国税庁「No.6902 「総額表示」の義務付け」(2026年10月15日確認)
- 財務省「総額表示に関する主な質問」(2026年10月15日確認)
粗利率・掛け率などの計算式は、一般的な定義にもとづいています。用語の公的な説明ページ(経済産業省・中小企業庁の統計の用語解説)は確認時に開けなかったため、出典には載せていません。税込・税抜をそろえる考え方の参考として、総額表示の公式ページを載せています。
売価と原価を入れると、粗利・粗利率・原価率・掛け率をまとめて計算。目標の粗利率から売価を逆算できるので、値付けや値引きの判断に使えます。「原価×1.3」との違いも表示します。
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