書類を送る前に、PDFの個人情報を消す手順
住民票の写しや本人確認書類をPDFで送るとき、提出先が必要としていない番号まで送ってしまうことがあります。何を消すかの目安と、送る前に確かめる手順を、個人情報保護委員会と厚生労働省の資料、墨消しツールを実際に操作した結果をもとにまとめました(2026年10月17日確認)。
公開:2026年10月17日 最終更新:2026年10月17日 執筆:板野 克基(株式会社ブライトアセット) 編集方針
要点
- 送る前に、書類に載っている番号を1つずつ見て、提出先がその情報を必要としているかを確かめます。必要のないものは消してから送ります。
- マイナンバーが載った住民票の写しを、マイナンバーの要らない提出先に出すときは、番号の部分を消します(個人情報保護委員会の資料)。
- 健康保険の保険者番号・記号・番号は、本人確認などの目的で告知を求めることが禁止されています。写しを送るときは、番号を復元できない程度に消します。番号がわかるQRコードも同じです(厚生労働省)。
- 墨消しのツールは、番号を自動では探しません。2ページ目以降や裏面の同じ番号を見落としやすいので、保存したPDFを全ページ目で確かめてから送ります。
消すかどうかの目安
| 書類に載っている情報 | 考え方 |
|---|---|
| マイナンバー(個人番号) | 税や社会保険の手続で、提出先が番号を求めているときは消しません。求められていない提出先に出すなら消します |
| 健康保険の保険者番号・記号・番号(QRコードを含む) | 健康保険の手続以外(本人確認など)で写しを送るなら消します |
| 銀行の口座番号 | 相手が振込に使うなら残します。住所や氏名の確認だけに通帳の写しを送るなら消します |
| 同居の家族など、本人以外の情報 | 提出先が求めていなければ消します |
上の2行は公的機関の資料にもとづく扱い、下の2行はこの記事の目安です。何が必要かは提出先によって違うので、提出先の案内を先に読んでください。この記事は法的な判断を示すものではありません。迷うときは、提出先に確認してください。
マイナンバーの扱い
個人情報保護委員会の資料では、次のように説明されています。
- 番号法第19条のいずれにも当たらない求めには、マイナンバーを含む個人情報(特定個人情報)を提供できません。マイナンバーの部分を復元できない程度に消せば、ふつうの個人情報として扱います(よくある質問 Q5-9)。
- 住民票の写しは、マイナンバーが必要ない場合は、番号が載らない写しを希望します。番号が載った写しを受け取ってしまい、金融機関などに出すときは、番号の部分を消します(特定個人情報を取り扱う際の注意ポイント 1-1)。
- 剥がれやすいテープを貼っただけの書類を渡した例が、漏えいの事例として挙げられています。マジックなどで黒く塗ったものをコピーするなど、復元できない程度に消してから渡すよう示されています(同 2-1)。
- 表計算ソフトの不要なシートや非表示の部分に、出してはいけない情報が入っていないかも確かめるよう示されています(同 1-2)。
健康保険の番号の扱い
厚生労働省は、2020年10月1日から、健康保険の事業やそれに関連する事務以外の目的で、保険者番号と被保険者等記号・番号の告知を求めることを禁止しています。被保険者証の写しを取るときは番号を復元できない程度に消し、郵送などで写しを受け取る側は、あらかじめ相手に番号を消すよう求めるとしています。番号が載った高齢受給者証や限度額適用認定証なども対象です。
ファイル名に氏名が入っているなら、送る前に名前を付け替えるファイル名の一括変更(図面・電帳法の名前)(無料:20件までZIP)→送る前の手順
- 提出先の案内を読み、求められている情報を書き出します。
- 元のPDFは別に残し、送る用のファイルで作業します。
- 全ページをめくり、消す情報の場所を確かめます。裏面、2ページ目以降、欄外の小さな字、QRコード、写真に写ったカードも見ます。
- ExcelやWordから作ったPDFなら、PDFにする前に、元のファイルに非表示の列やシートが残っていないか確かめます。
- PDFの墨消しで、消す場所を指やマウスでなぞります。複数ページの同じ位置にあるなら、「全ページの同じ位置に適用する」をオンにしてからなぞります。「同じ位置」はページ上の同じ座標です。番号の位置がずれるページは、個別になぞります。
- 保存したPDFを開き、全ページを拡大して、番号が1桁でも見えていないか確かめます。
- ファイル名を確かめます。保存したファイルは、元の名前の末尾に「_墨消し」が付くだけなので、元の名前に氏名や番号が入っていれば付け替えます。
- 宛先と添付したファイルを見直してから送ります。メール本文に番号を書かないようにします。
ツールでできること・できないこと
2026年10月17日に、文字の入ったPDF(2ページ)を公開ページで実際に墨消しして確かめた結果です。
| 項目 | 動き |
|---|---|
| 番号を自動で見つける | できません。なぞった範囲だけを塗ります。1ページ目だけ塗ったときは、2ページ目の同じ番号はそのまま残りました |
| 塗った下の文字 | 保存したPDFに残りません。ページを画像にして作り直すためで、保存後のPDFから取り出せる文字は0文字でした |
| 文字の検索・コピー | 保存後はできません(塗っていない部分も含めて) |
| タイトルなどの文書の情報 | 引き継がれません |
| 一度に扱えるページ数 | 60ページまで |
| パスワードがかかったPDF | 読み込めません。先にパスワードを外します |
| ファイル名 | 元の名前の末尾に「_墨消し」が付きます |
ツールページの説明では、PDFはサーバーに送らず、ブラウザの中だけで処理します。黒く重ねただけでは文字が残る理由と、文字が残っていないかの確かめ方は、PDFの墨消しのページの解説にまとめています。
よくある見落とし
- 1ページ目だけ消す:同じ番号が2ページ目以降や控えの欄にも載っていることがあります。
- カードの裏面や写り込み:本人確認書類を並べてスキャンしたページは、裏面や端に写ったカードも見ます。
- QRコード:読み取ると番号がわかるものは、番号と同じように消します。
- ファイル名・メール本文:PDFの中を消しても、ファイル名や本文に番号や氏名を書くと意味がありません。
- 紙の段階でテープで隠す:剥がれやすいテープでは不十分です。紙で消すなら、マジックなどで黒く塗ってからコピーやスキャンをします。
まとめ
送る前に、提出先が必要としていない番号を書き出し、全ページで場所を確かめてから消します。消したあとは、保存したPDFを全ページ目で見て、ファイル名と宛先も確かめてから送ります。
出典:個人情報保護委員会「特定個人情報を取り扱う際の注意ポイント」(令和6年6月)、個人情報保護委員会 よくある質問 Q5-9、厚生労働省「医療保険の被保険者等記号・番号等の告知要求制限について」(いずれも2026年10月17日確認)。
PDFのページをなぞって黒や白で塗りつぶし、下の帯を自社の会社名・連絡先・免許番号に差し替えて保存します。ページを画像にして作り直すので、塗った下の文字はPDFに残りません。PDFはサーバーに送らず、ブラウザの中だけで処理します。
PDFの墨消し・帯替え(マイソク対応)を使う(無料:1ファイルずつ)公開中のツール 41本・解説ガイド 33本。入力した数字はブラウザの中だけで計算し、サーバーには送りません。