所得税徴収高計算書(納付書)の書き方(給与・賞与・年末調整)
毎月や半年ごとに出す源泉所得税の納付書は、欄が多く、12月は年末調整の精算も入ります。欄ごとに何を書くか、超過税額・不足税額の書き方、納期限、0円の月の扱いを、国税庁の「納付書の記載のしかた」と「年末調整のしかた」で2026年10月17日に確認してまとめました。
公開:2026年10月17日 最終更新:2026年10月17日 執筆:板野 克基(株式会社ブライトアセット) 編集方針
要点
- 給与・賞与・退職金・税理士などへの報酬の源泉所得税は、「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」(納付書)を添えて納めます。毎月納付の「一般分」と、納期の特例の「納期特例分」で様式が違います。
- 人員は、一般分はその月の実人員、納期特例分は各月の実人員の合計です。
- 年末調整の精算は「年末調整による不足税額」「年末調整による超過税額」の欄に、その月に実際に精算した額を書きます。
- 納期限は原則として支払った月の翌月10日、納期の特例なら1〜6月分が7月10日、7〜12月分が翌年1月20日です。
- 納める税額が0円でも、本税欄を0にした計算書を税務署に出します。
どの納付書を使うか
| 支払ったもの | 使う計算書 |
|---|---|
| 給料・賞与・退職金 | 給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書 |
| 税理士・弁護士・司法書士・社会保険労務士などへの報酬 | 同上(「税理士等の報酬」欄) |
| 原稿料・デザイン料・講演料など | 報酬・料金等の所得税徴収高計算書(別の様式) |
原稿料やデザイン料は納期の特例の対象外で、支払った月の翌月10日までに別の計算書で納めます。
上の欄の書き方
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 年度 | 会計年度。令和8年4月1日から令和9年3月31日までに納付するなら「08」 |
| 税務署名 | 所轄の税務署名(税務署番号は不要) |
| 整理番号 | 税務署から知らされた番号 |
| 納期等の区分(一般分) | 給与などを支払った年月。令和8年12月に支払ったなら「0812」 |
| 納期等の区分(納期特例分) | 期間の最初と最後の支払年月。7〜12月分なら自「0807」至「0812」 |
| 支払年月日 | 実際に支払った日。同じ月に2回以上なら最後の日。納期特例分は期間内の最初と最後の日 |
区分ごとの欄
区分ごとに「人員」「支給額」「税額」を書きます。支給額はその区分の支払総額、税額はそこから源泉徴収した税額の合計です。
| 欄 | 書くもの |
|---|---|
| 俸給、給料等 | 毎月の給料・賃金など通常の給与 |
| 賞与(役員賞与を除く) | 法人は役員以外への賞与(使用人兼務役員の使用人分を含む)。個人事業は必要経費にした賞与 |
| 日雇労務者の賃金 | 日額表の丙欄で源泉徴収した賃金。人員は延べ人員 |
| 退職手当等 | 退職金・一時恩給など |
| 税理士等の報酬 | 弁護士・税理士・公認会計士・社会保険労務士・司法書士などへの報酬。司法書士・土地家屋調査士・海事代理士分は摘要に「司」 |
| 役員賞与 | 法人の役員への賞与。支払確定年月日も書く |
人員の数え方
- 一般分:その月に給与を払った実人員です。同じ人に月2回払っても1人です。
- 納期特例分:各月の実人員の合計です。3人に6か月給料を払ったら18人です。
- 日雇労務者の賃金:延べ人員です。
年末調整の不足税額・超過税額の欄
年末調整で不足額を徴収したら「年末調整による不足税額」欄に、超過額を返したら(充当したら)「年末調整による超過税額」欄に、その金額を書きます。国税庁の「年末調整のしかた」では、次の点が示されています。
- 書くのは、実際にその月に精算した額です。12月に精算しきれず翌年1月や2月に回した分は、精算した月の計算書に書きます。
- 超過額が12月中に源泉徴収した税額より多く、納める税額がなくなったときは、本税を0にした計算書を出し、返しきれない分は翌月以後に精算します。
- 「年末調整過納額還付請求書 兼 残存過納額明細書」で税務署から還付を受ける分は、超過税額欄に含めません。
記入例:12月分(毎月納付・仮の数字)
令和8年12月に、3人に給料と賞与を払い、年末調整をした場合です。
この例では、同じ月に不足税額と超過税額の両方があります。不足は追加で徴収した人の分、超過は還付した人の分で、別々の人に生じたものです。
| 欄 | 書く金額 |
|---|---|
| 俸給、給料等 | 人員3人・支給額750,000円・税額14,000円 |
| 賞与(役員賞与を除く) | 人員3人・支給額1,200,000円・税額30,000円 |
| 年末調整による不足税額 | 税額3,000円 |
| 年末調整による超過税額 | 税額20,000円 |
| 本税 | 14,000+30,000+3,000-20,000=27,000円 |
| 合計額 | ¥27,000(延滞税などがなければ本税と同じ) |
超過税額は、その月に納める税額から差し引く形になります。合計額の頭には「¥」を書き、金額を書き誤ったら新しい計算書に書き直します。欄ごとの人員・支給額・税額は、上の集計ツールに支払い明細を貼り付ければ出せます。年末調整の過不足額そのものは年末調整の過不足額の求め方で求められます。
12月の年末調整の過不足額を先に出す年末調整 過不足額の計算(無料・登録不要)→納期限(令和8年分)
| 納付のしかた | 期限 |
|---|---|
| 毎月納付(12月分) | 原則は翌月10日。令和9年1月10日は日曜日、11日は成人の日なので令和9年1月12日(火) |
| 納期の特例(1〜6月分) | 7月10日 |
| 納期の特例(7〜12月分) | 翌年1月20日。令和8年7〜12月分は令和9年1月20日(水) |
10日や20日が土曜日・日曜日・祝日などに当たるときは、休日明けの日が期限です。納期の特例は、給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者が、税務署に申請して承認を受けた場合に使えます。
0円でも出す
国税庁の「納付書の記載のしかた」と「年末調整のしかた」は、納める税額がない場合でも、所得税徴収高計算書を所轄の税務署に提出する(e-Taxで送信、郵送、または提出)よう案内しています。年末調整の超過額で本税が0円になった月も、超過税額の欄を書いて出します。
令和9年分からの様式
令和9年1月1日以後に生じる所得からは防衛特別所得税が加わり、令和9年分の「納付書の記載のしかた」では「所得税、防衛特別所得税及び復興特別所得税」を納める計算書として案内されています。合計税率は2.1%のままで、税額表の税額に含まれているので、1枚の計算書で納めます。令和9年分の記載のしかたでは、単票式の計算書は3片それぞれに記載するよう案内されています。
よくあるつまずき
- デザイン料を同じ計算書に入れる:原稿料・デザイン料などは「報酬・料金等」の別の計算書で、翌月10日までに納めます。
- 納期特例分の人員を実人数で書く:各月の実人員を合計した延べ人数です。
- 超過税額を差し引き忘れる:年末調整で返した額を引かずに納めると、納めすぎになります。
- 0円の月に出さない:本税0円でも提出します。
- 年度を暦年で書く:年度は4月始まりの会計年度です。令和9年1月に納める分も「08」です。
まとめ
所得税徴収高計算書は、納期等の区分、区分ごとの人員・支給額・税額、年末調整の不足税額・超過税額、本税・合計額の順に書きます。12月分は年末調整の精算を反映し、0円でも提出します。この記事は国税庁の資料にもとづく計算と書き方の説明です。税理士の監修は受けていません。個別の判断は、国税庁の資料や所轄の税務署、税理士に確認してください。
出典
- 国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」納付書の記載のしかた(25〜28ページ)(2026年10月17日確認)
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」(税額の納付と所得税徴収高計算書の記載)(2026年10月17日確認)
- 国税庁 タックスアンサーNo.2505「源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例」(2026年10月17日確認)
- 国税庁「令和9年分 源泉徴収税額表」納付書の記載のしかた(25〜28ページ)(2026年10月17日確認)
給与・賞与・税理士報酬の支払明細を貼り付けると、所得税徴収高計算書(源泉所得税の納付書)の欄ごとに人員・支給額・税額を集計。毎月納付と納期の特例(半年分)に対応し、納付期限も表示します。
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