源泉徴収票の見方(給与所得の源泉徴収票の4つの金額欄)
会社からもらった源泉徴収票の数字の意味を知りたい人と、作る側の経理担当の人向けに、各欄を説明します。給与所得の源泉徴収票の上の段には、4つの金額が並んでいます。左から順に計算がつながっていて、年末調整をした人なら、右端の源泉徴収税額がその年の所得税(復興特別所得税を含む)の額です。国税庁の「令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」を2026年10月17日に確認してまとめました。
公開:2026年10月17日 最終更新:2026年10月17日 執筆:板野 克基(株式会社ブライトアセット) 編集方針
要点
- 支払金額はその年に支払の確定した給与・賞与の総額、源泉徴収税額は年末調整後の所得税と復興特別所得税の合計です。
- 給与所得控除後の金額と所得控除の額の合計額は、年末調整をした人だけ書かれます。
- 年末調整をした人なら、(給与所得控除後の金額-所得控除の額の合計額)から税額を計算し、102.1%をかけたものが源泉徴収税額になります。
- 会社は全ての従業員に、翌年1月31日まで(年の中途で退職した人は退職の日以後1か月以内)に源泉徴収票を交付します。令和8年分は令和9年2月1日(月)です。
4つの金額欄の意味
| 欄 | 書かれている金額 |
|---|---|
| 支払金額 | その年中に支払の確定した給与等の総額。年の中途で就職し、前の勤務先の給与を通算して年末調整をした場合は、その給与も含みます。作成日に未払のものは内書きされます。 |
| 給与所得控除後の金額(調整控除後) | 支払金額を国税庁の「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」に当てはめた金額。所得金額調整控除がある人は、その額を引いた後の金額。年末調整をした人のみ。 |
| 所得控除の額の合計額 | 社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生控除、配偶者(特別)控除、扶養控除、特定親族特別控除、基礎控除の合計。年末調整をした人のみ。 |
| 源泉徴収税額 | 年末調整をした場合は、年末調整後の所得税と復興特別所得税の合計。年末調整をしない場合は、その年中に源泉徴収すべき税額の合計。 |
4つの金額のつながり
- 支払金額を令和8年分の表に当てはめて、給与所得控除後の金額を出します。741,000円未満なら0円です。
- 給与所得控除後の金額から所得控除の額の合計額を引き、1,000円未満を切り捨てます(課税給与所得金額)。
- 速算表で税額を出し、住宅借入金等特別控除があれば引きます。
- 102.1%をかけて100円未満を切り捨てた額が、源泉徴収税額欄の金額(年調年税額)です。
この差し引きの途中の金額(課税給与所得金額など)は、源泉徴収票には書かれません。
例:令和8年分の源泉徴収票
給与の総額400万円、社会保険料60万円、扶養親族なし、ほかの控除なしで年末調整をした場合です。
| 欄 | 金額 | 出し方 |
|---|---|---|
| 支払金額 | 4,000,000円 | 1年分の給与・賞与の総額 |
| 給与所得控除後の金額 | 2,760,000円 | 令和8年分の表(400万円以上400万4千円未満) |
| 所得控除の額の合計額 | 1,640,000円 | 社会保険料60万円+基礎控除104万円 |
| 源泉徴収税額 | 57,100円 | (2,760,000-1,640,000)×5%=56,000円、×102.1%=57,176円→100円未満切り捨て |
手元の源泉徴収票の「支払金額」と社会保険料等の金額を年末調整の過不足計算に入れると、源泉徴収税額が合っているかを自分で確かめられます。
この人が1年間に給与から天引きされた所得税の合計が源泉徴収税額より多ければ、差額は年末調整で還付されています。
年末調整の過不足額の求め方を手順で確かめる年末調整 過不足額の計算(無料・登録不要)→見るときの注意
- 年末調整をしていない源泉徴収票:年の中途で退職した人などは、給与所得控除後の金額と所得控除の額の合計額の欄が空いています。源泉徴収税額は天引きされた税額の合計です。
- 社会保険料等の金額欄:所得控除の額の合計額には、この社会保険料等の金額も含まれています。
- マイナンバー:本人に交付する源泉徴収票には、マイナンバーは記載しません。
- 電子交付:書面のほか、電磁的方法による提供(電子交付)もできます。
- 年分:令和8年分は基礎控除などの改正があり、前年の源泉徴収票と同じ給与でも金額が変わることがあります。
交付と提出の期限
| 手続 | 期限 |
|---|---|
| 本人への交付(法令) | 翌年1月31日まで。年の中途で退職した人は退職の日以後1か月以内 |
| 令和8年分の本人への交付 | 令和9年2月1日(月)まで |
| 令和8年分の税務署への提出(法定調書)・市区町村への給与支払報告書 | 令和9年2月1日(月)まで |
本人への交付は、税務署への提出範囲にかかわらず全ての受給者が対象です。令和9年1月1日以後は、給与支払報告書を市区町村に出せば、税務署への源泉徴収票の提出は不要になります(みなし提出の特例)。
まとめ
源泉徴収票は、支払金額→給与所得控除後の金額→所得控除の額の合計額→源泉徴収税額の順に計算がつながっています。この記事は欄の意味と計算のしかたの説明です。個別の判断は、国税庁の資料や税務署、税理士に確認してください。
出典:国税庁「令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」、国税庁タックスアンサーNo.7411「給与所得の源泉徴収票の提出」、国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」(いずれも2026年10月17日確認)。
1年分の給与総額・源泉徴収した税額・各種控除を入れると、年調年税額と過不足額(本人に返す超過額か追加で引く不足額か)を出します。年末調整を自分でする小規模事業者・経理担当の手計算の確認に。控除額は目安です。
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