請求書・領収書をクラウドに上げる前に確認したい5つのこと
請求書や領収書をクラウドのサービスに上げる前に、書類がどこへ行き、どれくらい残り、何に使われるかを確かめるための5つの点を、公式ページのどこを見ればよいかとあわせてまとめました。
公開:2026年10月20日 最終更新:2026年10月20日 執筆:板野 克基(株式会社ブライトアセット) 編集方針
要点
- 請求書や領収書の画像・PDFをクラウドのサービスに上げると、書類はそのサービスの会社のサーバーへ送られます。どこへ行き、どれくらい残り、何に使われるかは、サービスごとに違います。
- 確認するのは送信先・保存期間・学習利用・委託先・削除方法の5つです。どれも、利用規約・プライバシーポリシー・データの扱いのページに書かれています。
- 個人情報保護委員会は、クラウドの人事労務サービスを使う側の会社にも、委託先での取扱状況を確かめることを求めています(2024年12月17日の注意喚起)。書類を預けるほかのサービスにも、この考え方は参考になります。
はじめに:便利さと一緒に「どこへ行くか」を知っておく
クラウドのサービスは、書類の読み取りや保管を手軽にしてくれます。多くのサービスは、データの扱いを公式ページで説明しています。大切なのは「クラウドだから危ない」と決めつけることではなく、送る前に、書類がどこへ行ってどう扱われるかを自分で確かめておくことです。以下の5つを、使っている(使おうとしている)サービスの公式ページで確かめてください。
確認1:送信先——書類はどの会社のサーバーへ行くか
アップロードした画像やPDFは、サービスを提供する会社か、その会社が使っているクラウド事業者のサーバーに送られます。プライバシーポリシーの「第三者提供」「委託」「外国にある第三者への提供」の項目を見ると、送り先の会社や国が分かります。読み取りに外部のAIを使っているサービスでは、そのAIの事業者も送り先に入ることがあります。
確認2:保存期間——処理のあと、どれくらい残るか
読み取りが終わったらすぐ消えるのか、何日か残るのか、契約中はずっと保管されるのかを確かめます。証憑の保管を目的にしたサービスなら、長く残るのが前提です。「処理のためだけに使い、一定期間で消す」と書いてあるサービスもあります。期間の数字が書かれているかを見てください。
確認3:学習利用——送った内容がAIの学習に使われるか
AIで読み取るサービスでは、送った書類が読み取りの精度を上げるための学習に使われるかどうかを確かめます。「学習に使わない」が既定か、自分で設定を変える必要があるか、無料プランと有料プランで扱いが違うかも、サービスによって違います。
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読み取りの正確さを上げるため、AIの結果を人(オペレーター)が確かめて入力する方式のサービスもあります。精度のための仕組みで、それ自体が悪いわけではありません。ただ、書類を人が見ることになるので、その作業をどの会社が行うのか(委託先)と、その会社での取り扱いの決まりを確かめておきます。
確認5:削除方法——自分で消せるか、解約したらどうなるか
アップロードした書類を自分で消せるか、解約したあといつ消えるか、消したことを確かめる方法があるかを見ます。分からないときの問い合わせ先も、あわせて控えておくと安心です。
個人情報保護委員会が、使う側に求めていること
個人情報保護委員会は2024年12月17日、クラウドで提供される人事労務管理のサービスが不正アクセスを受け、マイナンバーを含む個人データが漏えいした事案を調べたうえで、注意喚起を出しました。サービスを提供する側(委託先)だけでなく、サービスを使って従業者の個人データを扱う会社(委託元)にも、留意点が示されています。
その中では、多くの利用企業が利用規約に合意しただけだったことについて、規約だけであること自体が直ちに問題なのではなく、規約に個人データの取り扱いがどう書かれているかが問題だと整理しています。また、チェックシートを使って、契約の前にも後にも定期的に、委託先での取り扱いを確かめていた企業もあったと紹介しています。この注意喚起は人事労務のサービスについてのものですが、「規約の中身を確かめる」「使い始めたあとも確かめる」という考え方は、書類を預けるほかのサービスでも参考になります。
出典:個人情報保護委員会「人事労務管理のためのサービスをクラウド環境を利用して開発・提供する場合及び当該サービスを利用する場合における、個人情報保護法上の安全管理措置及び委託先の監督等に関する留意点について(注意喚起)」令和6年12月17日(公表ページ・PDF、2026年10月20日確認)
テマゼロの設計(事実だけを書きます)
- テマゼロAIのツールは、入力した内容やファイルを、お使いの端末のブラウザの中だけで処理し、当社のサーバーには送りません。請求書の作成、領収書の作成、PDFの墨消し、電子取引データの保存セット、仕入伝票PDFからの仕入原価の計算も同じです。
- 公開しているツールは、外部への送信やページの移動などの命令が入っていないかを自動で検査しています。この検査は、コードの中の命令を探す方法で、全ての抜け道を見つけられると保証するものではありません(掲載の基準)。
- PDFを読むための部品など、公開ライブラリを読み込むツールがあります。読み込むものは、各ツールの「このツールの審査」に書いています。
- 端末の中で処理するため、書類の保管・共有・会計ソフトとの連携といった、クラウドのサービスにある機能はありません。必要な機能に合わせて選んでください。
まとめ:確認用チェックリスト
「クラウドが悪い」のではなく、「どこへ行くかを知って選ぶ」ことが大切です。次の5つを、使うサービスの公式ページで確かめてください。
- 送信先:書類はどの会社(国)のサーバーへ行くか
- 保存期間:処理のあと、どれくらい残るか
- 学習利用:AIの学習に使われるか。既定はどちらか
- 委託先:人が見る方式か。その作業をする会社はどこか
- 削除方法:自分で消せるか。解約したらいつ消えるか
各サービスの扱いは変わることがあります。最新の内容は、各社の公式ページで確認してください。
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