令和9年分の源泉徴収税額表で変わること(2027年1月から)
2027年1月から、毎月の給与と賞与の源泉徴収に使う税額表が新しくなります。何が変わるか、どの給与から新しい表を使うか、12月分を翌月に払う会社はどうするかを、国税庁の「令和9年分 源泉徴収税額表」と改正のQ&Aで2026年10月17日に確認してまとめました。
公開:2026年10月17日 最終更新:2026年10月17日 執筆:板野 克基(株式会社ブライトアセット) 編集方針
要点
- 国税庁は「令和9年分 源泉徴収税額表」を公開しています。令和9年(2027年)1月1日以後に支払うべき給与から、この表で源泉徴収税額を求めます。
- 変わる理由は、令和8年度税制改正による基礎控除の引上げと給与所得控除の最低保障額の引上げ(65万円→74万円)です。月額表・日額表・賞与の算出率の表がすべて改正されました。
- 月額表の甲欄では、多くの行で税額が下がります。税額がかからない範囲(甲欄・扶養0人)は、社会保険料等控除後の給与105,000円未満から111,000円未満に広がりました。乙欄で3.063%を使う範囲も同じく111,000円未満になります。
- 令和8年11月までの源泉徴収は変わりません。令和8年分の改正の効果は、12月の年末調整でまとめて精算します。
- 令和9年からは防衛特別所得税1%が加わり、復興特別所得税は1.1%になります。合計は2.1%のままで、計算方法は変わりません。
何が変わるか
| 項目 | 令和9年分の表での変更 |
|---|---|
| 月額表・日額表の税額 | 基礎控除と給与所得控除の改正に合わせて改正。多くの行で税額が下がる |
| 税額がかからない範囲 | 甲欄・扶養0人:社会保険料等控除後の給与111,000円未満(令和8年分は105,000円未満) |
| 乙欄の3.063% | 111,000円未満に適用(令和8年分は105,000円未満) |
| 賞与の算出率の表 | 率ごとの「前月の給与」の幅が改正 |
| 表に含まれる税 | 所得税・防衛特別所得税・復興特別所得税の合計(合計税率は2.1%で変わらない) |
あわせて、扶養親族や同一生計配偶者の所得要件が合計所得金額62万円以下(収入が給与だけなら136万円以下)に改正されました(改正前は58万円以下)。この改正は令和8年12月1日以後に支払う給与から適用され、新たに要件を満たす親族の分は、扶養控除等(異動)申告書の提出が必要です。
月額表(甲欄・扶養0人)の比べ方
社会保険料等控除後の給与がその金額の行で、国税庁の月額表に書かれている税額です。たとえば250,000円は「248,000円以上251,000円未満」の行です。
| 社会保険料等控除後の給与 | 令和8年分 | 令和9年分 |
|---|---|---|
| 108,000円 | 280円 | 0円 |
| 150,000円 | 2,420円 | 2,080円 |
| 200,000円 | 4,340円 | 4,170円 |
| 250,000円 | 6,110円 | 5,940円 |
| 300,000円 | 7,930円 | 7,760円 |
| 400,000円 | 15,650円 | 15,320円 |
扶養1人では、200,000円の行が2,730円から2,550円、300,000円の行が6,320円から6,150円になります。乙欄では、200,000円の行が19,700円から19,200円、300,000円の行が53,600円から53,200円です。108,000円の行は、令和8年分では「107,000円以上109,000円未満」、令和9年分では「111,000円未満」に入るので0円になります。
賞与の算出率の表の例
賞与の率を探す「前月の給与」の幅も変わります。扶養0人で前月の給与(社会保険料等控除後)が262,000円の人は、令和8年分の表では260千円以上309千円未満の行で6.126%、令和9年分の表では100千円以上263千円未満の行で4.084%です。賞与(控除後)が400,000円なら、令和8年分は24,504円、令和9年分は16,336円です。賞与の求め方は賞与の源泉徴収税額の求め方で説明しています。
いつの給与から使うか
国税庁のQ&A(令和8年5月)は、令和9年1月1日以後に支払うべき給与について令和9年分の表を使うとしています。何月分の給与かではなく、支給日で分かれます。
| 支給のしかた | 使う表 |
|---|---|
| 2026年12月25日に払う12月分の給与 | 令和8年分 |
| 2026年12月に払う冬の賞与 | 令和8年分 |
| 2027年1月10日に払う12月分の給与(翌月払いの会社) | 令和9年分 |
| 2027年1月25日に払う1月分の給与 | 令和9年分 |
給与の収入の時期は、支給日が決まっていればその支給日です(国税庁タックスアンサーNo.2509、所得税基本通達36-9)。国税庁のQ&A(No.2668)でも、翌年1月10日に払う12月分の給与はその年の年末調整の対象にならないとされています。翌月払いの会社は、2027年1月に払う給与から新しい表に切り替えます。
11月までの源泉徴収と年末調整
国税庁の「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」では、令和8年11月までの給与の源泉徴収事務に変更は生じないとされています。令和8年分の基礎控除などの引上げは、12月の年末調整で1年分の税額を計算し直し、改正前の表で源泉徴収した税額と精算します。毎月の天引きをさかのぼって直す必要はありません。精算のしかたは年末調整の過不足額の求め方にまとめています。
12月の年末調整の過不足を先に確かめる年末調整 過不足額の計算(無料・登録不要)→12月までに済ませる確認
2026年中に払う給与と賞与は、令和8年分の表のままです。切り替えの前に、今年の分を確かめておくと1月の作業が軽くなります。
| 時期 | 確かめること |
|---|---|
| 11月・12月の給与 | 令和8年分の月額表の税額か(給与の源泉徴収税額の計算) |
| 12月の賞与 | 前月の給与と扶養の数で率を探したか(賞与の源泉徴収税額の計算) |
| 12月の年末調整 | 引き上げ後の基礎控除などで計算し直した過不足額(年末調整の過不足額の計算) |
1月の給与計算までにすること
- 給与ソフトや給与計算の表が令和9年分の税額表に更新されているかを確かめます。
- 自社の給与の支給日を確かめ、2027年1月1日以後に払う最初の給与がどれかを決めます。
- 令和9年分の扶養控除等(異動)申告書を受け取ります。毎年最初に給与を受ける日の前日までに出してもらう書類です。
- 新しい表で数人分を手計算し、ソフトの税額と同じになるかを確かめます。
上の給与の源泉徴収ツールは、令和8年(2026年)1〜12月に支払う給与用です。12月までの給与の検算に使い、2027年1月以後に払う給与は国税庁の令和9年分の月額表で確かめてください。
よくあるつまずき
- 12月分だから令和8年分の表を使う:翌月払いで支給日が2027年1月なら、令和9年分の表です。
- 11月までの天引きを直そうとする:改正前の表で計算した税額との差は、12月の年末調整で精算します。
- 新しい扶養控除等申告書を回収し忘れる:申告書がないと乙欄になり、税額が大きく変わります。
- 日額表や賞与の表を古いまま使う:月額表だけでなく、日額表と賞与の算出率の表も改正されています。
まとめ
令和9年分の源泉徴収税額表は、2027年1月1日以後に支払うべき給与から使います。11月までの源泉徴収はそのままで、令和8年分は12月の年末調整で精算します。支給日で表を分け、1月の最初の給与までにソフトの更新と申告書の回収を済ませておきます。この記事は国税庁の資料にもとづく計算と書き方の説明です。税理士の監修は受けていません。個別の判断は、国税庁の資料や所轄の税務署、税理士に確認してください。
出典
- 国税庁「令和9年分 源泉徴収税額表」(月額表・算出率の表)(2026年10月17日確認)
- 国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」(2026年10月17日確認)
- 国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」令和8年4月(2026年10月17日確認)
- 国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等に関するQ&A」令和8年5月(2026年10月17日確認)
- 国税庁 タックスアンサーNo.2509「給与所得の収入金額の収入すべき時期」(2026年10月17日確認)
- 国税庁 タックスアンサーNo.2668 Q&A(翌年1月に支払う12月分の給与)(2026年10月17日確認)
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」(令和9年分の給与の源泉徴収事務)(2026年10月17日確認)
毎月の給与と社会保険料、扶養親族等の数を入れると、月額表(甲欄・乙欄)で給与から天引きする源泉所得税を計算。令和8年分・令和9年分(2027年1月以後の支払い)に対応し、国税庁の電算機計算の特例で内訳と扶養0〜7人の早見表も表示。小規模事業者向け。
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